のんびりぶろぐ

EVERGREEN INTERNATIONAL(以下エバーグリーン)のCOMBAT STICK TEMUJINシリーズと聞けば、大半の人が知っていると思われる人気のバスロッドシリーズですよね。

中でも高評を得ている様に見受けられる、多方軸のカーボンテープで補強されたブランクスが特徴のKALEIDO(カレイド)シリーズですが、特に一本で幅広く“何にでも扱い易い”と、全体的に高評価なのがTKLC-71MHX (The Super Stallion)というミディアムへヴィーバーサタイルモデル、なのでしょうか。

お値段も￥79,800(!!)とスーパーへヴィーな一本ですが、マイナーチェンジを受けたことで少し中古市場の価格が下がった事、個人的なストレス発散に衝動買いしてしまった(愚)ことなどもあり、ちょこっと使用してみた印象などを今更ながらに。




※以下HPの製品紹介より抜粋

軽量かつ、しなやか。そしてそれを裏切る強烈なパワーと分厚いトルク。
スーパークワトロクロス全身武装スーパースタリオン。

55センチオーバーのバスと互角以上に戦えるパワーとトルクを持ちながら、ただ一回のバイトのために丸一日振り抜くことができる軽量性と、正確無比な操作性の両立…。
カレイド・スーパークワトロクロス製法は４方向に締め上げられたカーボン繊維の靭帯でテムジン最強クラスのパワーを手に入れたばかりか、徹底的な贅肉除去によるクラス最高の軽さまでも現実にするという、ヘビーアクションロッドの理想を一気に具現化しています。
3オンス以内のソフトスイムベイトやハードビッグベイト、バス用フロッグやパンチリグなど、圧倒的遠投力や猛烈なフッキングパワーを必要とするモンスターゲームに適したブランクス性能を完全完備。ヘビーウエイトゲームをより身近に。そして誰もが特別な努力をすることなく、モンスターバスへの最短ルートを切り開いてくれる新次元の開拓者。
テムジンシリーズに脈々と流れる鋭いキレと圧倒的感度、そしてクロスファイアシリーズでつちかった嗤い(わらい)の除去、強烈な引きに耐え巨体を浮かす粘りなど、相容れることが困難な長所すべてを合わせ持つ完全体。それがスーパークワトロクロス全身武装フラッグシップモデル“スーパースタリオン”です。

先ずはリールを載せてみた感じ。




そもそもスパスタはバット径が太く、リールシートもACS17みたいなので、グリップフィールの良さには正直期待してませんでした。
実際、お世辞にも良いとは言えないフィーリング。ごつぃです。

また、軽量だと評されるスパスタですが、個人的には特筆した軽量感は感じませんでした。
どちらかといえば、他の軽量感を謳うロッドと比較してしまうと重たいかなぁ。


とはいえ、トップヘビーといったバランスや重量感では無いと思われ、扱い難さは感じませんし、重量系の要体力なロッドでは無いと思います。






では実際に巷で高評価なパワーや扱い易さ、汎用性の高さはどうなのか？と。


まずはキャスタビリティ・・・・・・・ですが、確かにコレは高評価。何でも投げ易く適度に扱い易い。

高汎用に欲張り過ぎて器用貧乏になったり、癖が強く使い手を選んでしまったりするバーサタイルロッドが多い中で、これだけ素直で扱い易く、何にでも幅広く対応できるバランスは素晴らしい。

特に４軸補強の恩恵なのかキャスト抜けがシャープで、アキュラシーも高いのが投げていて良く理解ります。純粋にキャストが気持ち良い。ヾ(´▽｀；)ゝ
上手い表現が難しいですが、無駄な加速が不要で、必要な力で必要分だけ振り抜けば十二分な距離が稼げるパワーバランス・・・・・といった感じでしょうか？

必然的に遠投性も高く、また、一日中思い切りロッドを振り回す必要が無いので、疲労感も抑えられ集中力が持続し易い気がします。








お次はルアーやメソッドの操作感。

先ずは底物なんですが、ティップ側が負荷に対してやや早めに応答する感じで、気持ち柔らかめ、
・・・・・・・・というか微妙にダルい感じ。

ただ、４軸補強の恩恵か適度にハリがあるお陰で、水草が薄いエリアであれば軽めのテキサスやラバージグだと殆ど問題無い印象です。(勿論、併せるルアーサイズにもよりますが)

個人的には、1/16～3/16oz辺りのテキサス、特にテキマキには好相性な感じでした。


一方で、巻物の方は適度なハリが巻抵抗に対して踏ん張りが効きつつ、ティップがしなやかなお陰でノリも悪く無く、中々に絶妙な感じです。

シャロー・ミッドクランク、3/8oz～3/4oz程度の中・大型ミノー、スピナーベイト(要アシストフック)にも悪く無い感じで、中々に高汎用で色々と扱い易いバランスですね。

ただ、アクティブに水草を切り分けながら広範囲を流してくにはもう少しベリーに腰が欲しいかも
・・・・・・・とは欲を出し過ぎでしょうか？






こうして見てくると、確かに隙が無いパーフェクトなロッドの様にも見えますが・・・・・・・。






正直なトコロ、扱い易いパワーに設定してある反面、ブランクス全体のパワーは並といった感じで、～55センチオーバーのバスと互角以上に戦えるパワーとトルクを持つ～というキャッチは誇大広告の様に思われます。

特にブランクス全体が大きな負荷を受け止め、吸収しようと幅広に曲がる特徴は良いのですが、ちょっと曲がり過ぎる印象で、思いのほか魚が浮き上がってきません。

また、バット側の粘りやパワーが足りてない感じで、大型の突っ込みを止め切れず、何度か反転→反対方向に走られる、という状況がありました。
それなのにグリップジョイント仕様というのが激しく謎で、ここから！って所でブランクスの粘りやパワーが頭打ちになり、結局中途半端に手前の水草に突っ込まれたり、巻かれたりという事が。

そうなると、このパワーバランスで良コンディションの大型をいなすにはスペック不足な感が否めず、「本当に3,000オーバーと互角以上に渡り合えるのか？」という不安が払拭できません。




また、他に気になる点として、フッキングパワーも太軸のフックだと正直心許ないです。




前述で底物の操作感は良いと評しましたが、フッキング性能はブランクスの衝撃吸収性が良過ぎて逆に頼りないんですよね。

ストロークでアワセても曲がり幅が相当に広く、フッキング力を殆ど吸収されてしまうので、ディスタンスがあるとアクティブに掛けてくのは相当難しいように思います。

まぁ、スパスタ自体が底物用の竿ではないから・・・・・と言われればソレまでなんですが。


本当にカタログにあるようにフロッグやパンチにも使える？のでしょうか・・・・・・・。





また、ロッド感度は・・・・・・・・・
あまり良いロッドでは無いかもしれません。(´・ω・｀)

確かに明確なバイトに対する反応は鮮明なのですが、触れるような違和感バイトや吸い込まれるような反応が捉え難い印象で、どちらかと聞かれると「鈍い」かな？という印象でして。ヾ(´▽｀；)ゝ

近頃の高感度ロッドに慣れ過ぎている所為もあるんでしょうが、水草の濃いエリア等で軽めの底物を繊細に引くには、ちょっと頼りない・・・・・・・というのが正直なトコロ。

キンキンである必要は無い、とは思いますが、底物メインで使用しようという思惑があるなら、ちょっと注意かもしれません。






総評するなら、高汎用で扱い易いのは間違いないものの、価格に見合うだけのパフォーマンスは持ち合わせていない、といった所でしょうか。


実際にバカデッカィのは掛けてないのですが、それでも高パワーを売り文句にした他社ロッドと比較して、明らかに魚の浮き上がりが悪い、また、必要以上にシャフトの曲がり幅が広く魚をいなし難い(やや主導権を奪われ気味になり易い)といった印象で、宣伝の謳い文句ほどイージーにはやりとり出来てない、というのが本音です。

そう考えると、もっと他にコストパフォーマンスの良いロッドが在る気がして、どうしてもスパスタでなければならない、という理由が無ければ敢えて高額を出してまで手に入れる程のロッドでは無いかなぁ？、という結論で。ヾ(´▽｀；)ゝ






TEMUJIN KALEIDO TKLC-71MHX “The Super Stallion”
Lenght 7ft1in
Weight 148g
Lure 3/8 ～ 3oz
Line 12 ～ 30lb
￥79,800







エバーグリーン(EVERGREEN） インスピラーレ　ＴＫＩＣ－７１ＭＨ－ＢＫ

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